25年前の手紙への返信
先日、クローゼットの片づけをしていたら、あなたから貰った最初で最後の手紙が出てきました。
手紙の最後には『'84.10.25.(木)』の日付が…
あれからもう25年も経ってしまったんですね。
あなたには色々と心配してもらったけど、あれから学校へはちゃんと行きましたよ。
やっぱり色々とやりにくい面もあったけど、頑張って無事に卒業して、中退してしまったけど大学まで進みました。
身体のことも随分と心配してもらって有難かったです。
でも、もしかすると、あなたは自分の身体のことを?
俺の勘繰りでしょうか?
まさか、あれからすぐにあなたが亡くなるなんて…
売店のおばさんに聞いたけど“誰かと間違えてるんじゃ”って信じられなくて、上まで確認に行きましたよ。
それからのことはほとんど記憶にありません。
ただ、どうして俺なんかが助かってあなたが逝ってしまったのか、そんなことばかり考えていました。
25年前の今日、俺達ってほとんど無言でしたよね。
俺はとても緊張してて、何を話していいのか分からなかったんですよ。
本当はたくさん話したいことがあったのに、今思えば勿体無かったと後悔しています。
今回、数年振りにあなたからの手紙を読み返してみたけど、何度見ても見る度に涙が出てきて困ります。
またクローゼットの奥にしまっておきますね。
今の俺、あなたから見てどうですか?
ちゃんとした大人になってますか?
ちゃんとしてるかどうか自信はないけど、俺は俺なりに頑張って生きてるつもりです。
そして、いつかはあなたのように誰かの役に立てる人間になりたいって思ってます。
いつか俺がそちらに行ったら、25年前の分までたくさん話しをさせてくださいね。